ステロイドを使わないという病院に行って、帰り道に泣いた話【脱ステ】

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さて今日は私が最後に行った皮膚科についてのお話しです。

アトピーの人はただアトピーってだけでものすごく傷ついています。
知らないうちにどんどん自信をなくしています。

私にとってその皮膚科での体験は、傷に塩を塗り込まれたようにつらかった、というお話。

ステロイドを使わないと評判の病院へ行った

本格的な脱ステに踏み切る前、おそらく私が30歳すぎたあたりだと思います。メンタルで会社を辞めてからアトピーが爆発したので、ネットで脱ステできる皮膚科を探して都内のとある病院に行くことにしました。

そこは駅から徒歩数分の場所にありました。受付で初診であることを告げ、待合室で待っている間にアトピー歴などを書く初診用の問診票に記入し、呼ばれるのを待ちました。

1時間くらいしてから診察室に呼ばれました。気さくな感じの男性医師がいました。

問診票に目を通し、では見せて下さいということになり、襟元をはだけたのか、シャツを脱いでブラだけになったか、ここは記憶が定かではないのですが、とにかく顔から指先まで爆発しているアトピーを見せました。

突然のシャッター音

その瞬間、突然パシャパシャと先生がデジカメで写真を撮り始めました。顔から首、鎖骨周まわり、手、肘の内側、合計15枚~20枚くらい撮っていたと思います。撮っているそばから先生の前にある液晶モニタに写真が表示されていきました。

撮っている最中は診察の続きのようにいろいろ質問されました。

うんたらかんたらで~~なの? パシャパシャ

△△はどうですか? パシャパシャパシャ

○○は~~してる? パシャパシャ

何を聞かれたかは頭が真っ白でほとんど覚えていません。ただ写真のことには一切触れずに、当たり前のように写真を撮りながら先生がしゃべっていたことだけは思えています。

ここでもまだ私は金縛りにあったように思考も感情もストップしていました。診察自体は5分もかからず終わりました。どんな感じで終わったかも全く覚えていません。

とにかくショックだった

診察室を出て待合室で待っているときに、だんだんと金縛りが溶けてきました。

そうしたらふつふつといろんな感情が襲ってきました。

  • いきなり撮られてショックだった
  • アトピーの写真を撮られるのがすごく嫌だった
  • 撮っていいかどうか聞かないのはおかしくないか?
  • 撮った写真はどのように使われるのか知りたい

こんな思いが頭の中をぐるぐるしました。

そして、

  • なんであの瞬間に先生に言えなかったんだろう
  • 写真を撮り始めた瞬間に「ちょっと待って下さい」って言えばよかった

と激しく後悔しました。

さらに、

  • いまから受付の人に写真の用途を聞こうか
  • それとも回りくどく「この皮膚科では必ず写真を撮るんですか」と聞いてみようか
  • それともストレートに「いきなり写真を撮られるのは嫌なものなので、次からは必ず撮っていいか聞くようにしてもらえますか」と言おうか

とあーでもないこーでもないといろいろ考えました。

またここに来たいのか?

結局、

そのエネルギーを費やしてまでも、私はまたこの皮膚科に来たいのか?」

と自分に問いかけ、

「もうここには二度と来たくない」

と思い、とりあえず皮膚科の中では泣かないようにして会計を済ませました。

駅まで涙がぽろぽろ流れて仕方ありませんでした
悔し涙、悲しみの涙、怒りの涙、これらがごたまぜになった涙でした。

アトピーにも人権がある

写真を撮られることがまったく気にならない人もいると思います。
治療に必要だから取ったというのも理解はできます。

でも私は、ただでさえアトピーがひどい状態で、自分の恥部みたいに感じているのもをいきなり写真に撮られる、というのは耐えがたいことでした。

それに私の肌は見世物じゃない!とも思いました。

私の肌が写真に撮られるか撮られないかは自分で決めたいし、それを決める権利が私にはある、と思いました。

こんなこともあって、脱ステに踏み切ったときは、誰になんと言われようと自分のやりたい方法を貫きました。「私の体は私のもの。自分がどうするかは自分が決める」強くそう思ったんです。

こんな思いで脱ステを乗り切った記録はこちら。

アトピー脱ステ脱保湿・猛烈なかゆみとの戦い【写真全58枚】1年ごとの詳しい記録

2017.02.15

脱ステに至るまでの経緯はこちら。
アトピー歴ステロイド歴33年の私が脱ステ脱保湿でかゆみと決別した経緯

そしてあのとき何も言えなかった悔しさもあってコミュニケーションの勉強もしました。

今、同じ状況に遭遇したら、もっと上手に対処できると思います。
ま、歳をとったというのもありますけど(笑)

もう10年以上前の話なので、もうこの皮膚科のシステムは変わっているかもしれませんね。というか変わっていてほしいです。

まとめ

アトピーの人は「かいちゃだめ」とか「部屋をきれいにしなさい」とか「またかいたでしょ」とか、まわりからいろいろ言われて、なんか知らないうちに自分ってだめなんだって思っていると思います。

そんなの嘘です。ぜんぜんだめなんかじゃありません。

自分のやりたいようにやればいいんです。

いまはステロイドで治療したいならそれでいいんです。

かゆかったらかけばいいんです。

脱ステ危険っていわれてもやってみたかったらやればいいんです。

それで失敗したっていいし、またすぐに方針を変えたっていいんです。

だって、自分の体ですもの。
私の体をどうするかは私が決めていいんです。

こんな記事も書いてます。よかったら読んでみてください。
【声を大にして言いたい】アトピーの人はいい人だ!!!!!!

【アトピーと家族関係】当時の弟の気持ちを知って泣いた話。見ている方もつらかった

 




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